シド・アンド・ナンシー (1986) - 英/米作品 -


Sid and Nancy

あらすじ

英国のパンク・バンド、セックス・ピストルズのベーシストであるシド・ヴィシャスと、そのガールフレンドだったナンシー・スパンジェンの破滅の恋の実話に基づくお話。ふとしたことで知り合った二人は、互いのつながりを深めれば深めるほど周囲とのズレが広がり、傷つく二人が救いを求めれば求めるほどドラッグに溺れ、愛の悪循環を繰り返す。アメリカ公演以降のバンド内でのいざこざの果てにシドは心機一転、ソロ活動を始めるが、ヘロイン中毒は後戻りできない程加速の一途を辿り、ある朝、ナンシーは刺殺体で見つかり、呆然としてナイフを手にしていたシドは殺人犯として逮捕される。

主な出演者

ゲイリー・オールドマン (シド・ヴィシャス)
クロエ・ウェッブ (ナンシー・スパンジェン)
アンドリュー・スコフィールド (ジョニー・ロットン)
デヴィッド・ヘイマン(マルコム・マクラーレン)
トニー・ロンドン (スティーヴ)
ペリー・ベンソン (ポール)

見どころ

ピストルズファンは怒るかもしれないですね(笑)。かく言う私もきっかけはシド見たさでした。賛否両論あるでしょうが、本物のシドより「らしい」ゲイリー・オールドマンに拍手の一作。作品としては、腐れた二人の間のどろどろとした、表現にし辛い位堕ち果ててしまった中に一瞬だけ輝いた光のカケラをうまく切り取った、アレックス・コックスの才能にも拍手でしょうか。個人的には、マイウェイのステージのシーンがお気に入りですが、あとのステージシーンは不自然過ぎてX。「おまえ誰だよ」「シド・ヴィシャス」と子供たちが逃げていくシーン、ごみためのなかでの幻想的で美しいキス・シーンも好き。

裏話

  • ゲイリー・オールドマンはシド役作りの為に減量をしましたが、やりすぎの為、病院に担ぎ込まれました。
  • アレックス・コックス監督が、二番目にシド役にと描いていたのは、ダニエル・デイ・ルイスでした。
  • アレックス・コックス監督の前作「レポ・マン」での冒頭のパーティシーンでは、シド・ヴィシャスのTシャツを着たパンクがいます。
  • ティム・ロスはジョニー・ロットン役を、歴史にするには早すぎる、という理由で辞退しました。
  • ジョン・ライドンはこれを、「ただのおとぎ話だね。ピーター・パン版といったところかな。」と一笑しました。
  • ゲイリー・オールドマンはこの映画で、シドが所有していた本物のネックレスを身に付けています。役作りのためのリサーチをしている時、シドの母親が撮影にと、貸してくれたそうです。
  • コートニー・ラヴは、ナンシー役のオーディションを受けましたが、獲得した役はナンシーの友人のグレッチェンでした。

あら捜し

  • 物語の設定は1970年代の後半ですが、1985年型ホンダ・シヴィックがシドとジョンの登場するオープニング・シーンの背景に見えます。
  • シドが、トム・スナイダーにインタヴューされているジョン・ライドンのTV「ザ・トゥモロウ・ショウ」(1973)を見ているシーンがありますが、この番組はシドがドラッグのオーヴァードーズで死亡した翌年、1980年までは放送されませんでした。
  • ライヴ・ハウスで、ピストルズの前座としてX-ray Spexらしきバンドが彼らのヒット曲「Oh, Bondage, Up Yours!」を演奏するシーンがあり、リード・ヴォーカルのポリィ・スタイレーンは痩せた、長い真っ直ぐな髪に矯正具を歯に着けていない白人です。実際のポリィ(マリオン・エリオット)は、アングロ/ソマリの両親を持ち、1977年当時彼女は痩せてなく、カールした髪は短かく、歯には矯正具を着けていました。また、このシーンで歌われる歌詞「Oh Monday No More」は「Oh Bondage Up Yours」の間違いです。
  • ナンシーが、シドの首に南京錠のネックレスを着けるシーンで、いかにもこれがナンシーからの贈り物のように見えますが、このネックレスはザ・プリテンダーズのメンバー、Chrissie Hyndeから贈られたものです。
  • 1975年、シドとジョンがロールス・ロイスを破壊しているシーンで、スプレーの缶がシドの手にあったり、車の屋根にあったりします。また、壊れたフロントガラスの状態がランダムに変わります。
  • ナンシーがホテルの窓から釣り下がっているシーンで、彼女の首には何もありませんが、その直後の屋根でのシーンでは犬の首輪を着けています。
  • シドとナンシーが共にベッドに寝転んでいるシーンで、シドがベッドの端からだらりと下げた腕には何もありませんが、次のショットではその腕は彼の顔の脇にあり、しかも錨の付いた腕輪をしています。
  • 1975年に、セックス・ピストルズがロッド・スチュワートのリムジンに襲われたとの想定ですが、そのリムジンは1980年から1985年の間に生産されたキャデラックです。
  • 警察がシドを逮捕する冒頭のシーンで、シドは警官の一人に噛み付きます。その警官が返答する時、彼の口の動きと台詞が合っていません。

撮影地

  • El Centro, California, USA
  • Jersey City, New Jersey, USA
  • London, England, UK
  • Los Angeles, California, USA
  • New York City, New York, USA
    (Chelsea Hotel, exteriors)
  • Paris, France
  • San Francisco, California, USA